ゾンビーズ『シーズ・ノット・ゼア』モノラル録音の威力[No.934]

80年代に編集されたゾンビーズのベスト盤を手に入れた。聴いてみるとステレオ録音曲とモノラル録音曲が混じったレコードだった。「シーズ・ノット・ゼア」「テル・ハー・ノー」などの主要シングル曲はステレオだった。その他のアルバム半分の曲はモノラル録音だ。そのモノラル録音「インディケーション」が流れてきてインパクトの強さに圧倒された。久しぶりにモノラルの威力を実感した次第。モノラルの魅力に憑りつかれる予感がした。

特に60年代半ばからのロック・バンドのモノラル録音の破壊力は絶大である。音の塊がガツンと向かってきて顔面を殴られるような勢いだ。重要なのはベースが太いこと。すべての音がまとまって押し寄せてくる音圧が素晴らしい。「インディケーション」でのバンドの一体感が押し寄せてくる感じはモノラルならではある。

続けてモノラルのレコードを探して聴いてしまう。キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンド『セイフ・アズ・ミルク』。レーベルにはステレオと書かれているくせにモノラルだった。学生の頃買ったときはがっかりしたものだが,今になってみると貴重な一枚だ。これがまたバンドの勢いが見事にパックされたモノラル録音なのだ。

例えばビートルズの最初の4枚はモノラル盤のレコードで揃えた。極端に左右に振ったステレオ・ヴァージョンはCDの音源で持っているので,レコードは当然モノラルだ。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」なども正しくベースのドライブ感が肝だ。それでいて音の良い録音は流石のジョージ・マーティンの仕事だ。

ロックではないが,たまたま最近手に入れたジェイムズ・カー『ユー・ゴット・マイ・マインド・メスト・アップ』もモノラル盤だった。このサザン・ソウルの名盤もまた音がいい。ロック・バンドのようなスピード感とは違うどっしりとした音だが,やはりベースの音がとてもよく録れている。

モノラル録音のパワフルなサウンドのポイントはベースにあり。いや,力づくで体当たりしてくる感じの要因としてベース音の役割が非常に大きいと言い換えよう。この後モノラルのレコードをコレクションしていくという危険な道が見えてしまった。泥沼にはまり込まないよう気を付けたい。
ビギン・ヒア(紙ジャケット仕様) - ザ・ゾンビーズ
ビギン・ヒア(紙ジャケット仕様) - ザ・ゾンビーズSAFE AS MILK - CAPTAIN BEEFHEART
SAFE AS MILK - CAPTAIN BEEFHEARTPLEASE PLEASE ME - BEATLES
PLEASE PLEASE ME - BEATLESYOU GOT MY MIND MESSED UP - JAMES CARR
YOU GOT MY MIND MESSED UP - JAMES CARR

"ゾンビーズ『シーズ・ノット・ゼア』モノラル録音の威力[No.934]" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント