録音が良いUKパンク UKサブス[No.944]

UKサブス『アナザー・カインド・オブ・ブルース』をアナログ盤で入手した。R&Bシンガーとして活動していたチャーリー・ハーパーが,パンク・ムーヴメントに触発されて結成したバンド。本作でデビューした頃にはすでに30歳を超えていたという。さて,届いたレコードを見て驚いた。再発盤のピクチャー・レコードだった。A面がジャケット写真を使ったデザイン,B面には曲目やクレジットが書かれている。そして,さらに驚いたのはジャケットが無いことだった。

盤のみでジャケットなし,というレコードを買ったのは初めてだ。元々そういう仕様の再発盤かもしれないが,透明ビニールの薄い袋にペロンとレコードが入っているだけというのはいかがなものか。盤が痛むのではないか。

それはともかく,レコードを再生してまた驚いた。これは録音がいい。CDでも持っていたが音質が良いと感じたことはなかった。レコード化の際にリマスタリングされたのかもしれない。試しに本作発表の1979年UKパンク系のレコードと音を聴き比べてみる。アンダートーンズのファースト・アルバム。これは聴きやすいミックスでまあまあ。スティッフ・リトル・フィンガーズ『インフレマブル・マテリアル』。いかにもパンク然とした録音。ソフト・ボーイズ『ア・カン・オブ・ビーズ』。痙攣するギターがユニークだが,録音自体はニューヨーク・パンクに近いか。そうした中,UKサブスは,パンクバンドにとって理想的な録音ではないかと思われる。

まず,ベースがはっきり聞こえるように録音されている。同様にドラムの音もしっかりしている。ギターの音が安い音に聴こえない。つまりはパンクバンドが出す音がどの楽器も聴きとれて,なおかつ演奏の良さが伝わってくるように作られている。加えて若造とはキャリアが違うメンバーの演奏がうまい。こうした要素がうまくかみ合って,パンクバンドの理想的な音が録音できたのだろう。引き締まった演奏と録音が心地よい。

UKパンクと言えば,レコード発売が早かったダムドのファースト・アルバムはニック・ロウ・プロデュースによる簡素な作り。一方のセックス・ピストルズのファースト・アルバムは,クリス・トーマスによるプロのレコーディング・スタイル。マルコム・マクラーレンに「これまでにない音」を要求された結果,ギターを何度も弾かせて音を重ね,英国ロック伝統のコンプレッサーを利かせまくったサウンドだ。そのどちらでもない,実に自然でかつ安っぽくない引き締まった音がUKサブスだ。ジャケットはないが,良い買い物だった。
Another Kind of Blues (Pict) [12 inch Analog] - UK Subs
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