「君の瞳に恋してる」不思議なコード進行[No.903]

洋楽のギター譜が載っている本をたまたま見ていたら、この曲が載っていた。曲をかけながらギターをコード弾きしてみると、1番と2番で使っているコードが違う。にもかかわらず、サビのコード進行は全く同じ。これは一体どういうことなのか。1番はEから始まり、2番はGから始まる。ただし進行は同じなので転調しているということになるのだが、サビは同じコードなのは、なぜなのだろうか。

1番はE→EM7→E7→A→Am6→Eと進んでいく。一方の2番はG→GM7→G7→C→Cm6→Gである。コードネームが違うだけで進行は同じなのだ。つまり1番よりも2番は3度上がっていると考えればよい。カラオケでいう「キー+3」という感じだ。ただし曲全体ではなくあくまで2番に入ったところが「3度上」なのだ。ところが、サビに入る前の例の「チャーラッ、チャーラッ、チャーララッラッラ」のホーンの部分は1番も2番も同じコードである。2番が3度上がったのならばホーンのフレーズもサビのメロディも3度上がりそうなものだが、そうはならない。ここに作曲のマジックがある。

ホーンの部分がなかったら、サビを同じキーで進めると違和感が出てくるかもしれない。ホーンが挟まることでスムーズに同じキーに戻していると考えられる。似た例としてプリテンダーズ「キッド」が挙げられる。こちらは1番はCでスタートし、間奏を挟んで2番ではEから始まる。4度上がっているわけだ。しかし、そのままサビも4度上がったままなので、元のキーに高さに戻ることはない。

どちらも3度や4度と1番と2番で一気に高さが変わる曲である。曲の終わり近くに半音上がるパターンはよくあるのだが、1番と2番で一気に高さが変わる曲は珍しいのではないか。しかも「君の瞳に恋してる」では、ホーンのフレーズを挟むことで全く同じ高さのサビにつなげるというテクニックが駆使されている。それもごく自然に。ギターの弾き語りをする者としては、こうした転調は非常に興味深い。音楽的にどういう理由でこんなことが起こるのかは分からないが、作曲のマジックということで納得しておこう。

ついでに言うと、大滝詠一「君は天然色」でも間奏に入る手前でやはりキーを4度上げて、全く違うコードから間奏に入りなぜか間奏の終わりには元のキーに戻るという荒業が使われている。この謎もいまだ解けていない。楽典に弱いとこういうことで悩んでしまうのだ。
君の瞳に恋してる - フランキー・ヴァリ
君の瞳に恋してる - フランキー・ヴァリPretenders - Pretenders
Pretenders - PretendersA LONG VACATION 30th Edition - 大滝詠一, 大滝詠一
A LONG VACATION 30th Edition - 大滝詠一, 大滝詠一

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