12インチ45回転の威力[No.895]

先日,中古レコード店でアメリカのパワーポップ・バンド,プリムソウルズの82年作の見覚えのないジャケットを見つけた。安かったのでそのまま購入し,家に帰ってからシングル盤だと気付いた。まあ,それでも聴いてみようとレコードをかけてみた。久しぶりの45回転だ。すると,その音質に驚いた。高音の伸び,低音のパンチ力,そして各楽器の解像度の良さ,どれをとってもLPとはまるで音質が違う。これが12インチ45回転の威力か,と納得させられた。

調べてみると,まず33回転よりも45回転の方が同じ秒数で針が溝を進む長さが長くなる。その分情報量が多くなる。さらに7インチよりも12インチの方が盤が大きい分さらに情報量が多くなる。したがって12インチ45回転が最も音質が良くなるというわけだ。ところが,12インチでも針がレーベル側に進めば進むほど音質は下がることになる。円の半径が短くなればそれだけ詰め込まれる情報量も少なくなるからだ。つまり,音質だけ言えば,12インチ45回転の盤の半分くらいまでが最適なのだ。私が購入したプリムソウルズの12インチシングルは,まさしくその条件通りに,盤の半分までしか音が入っていない。片面に一曲ずつなので,正に最高の音質だったわけだ。

さて,この事実に気付くと他に12インチ45回転のレコードを聴きたくなる。レコード棚を探すと何枚か発見した。忌野清志郎梅津和時らと組んだ『DANGERⅡ』。これは85年の作品でドラムの処理が当時のゲートリヴァーヴバリバリなのだが,やはりパリッとした音像で感心させられた。86年の高橋幸宏スティーヴ・ジャンセン名義の『STAY CLOSE』。パーカッション的に使われる電子音が終始カチャカチャと良い音で鳴っている。ドラマー同士の2人らしいサウンドだ。82年大滝詠一『NIAGARA CM Special Vol.2』。これも全体に高音質。音につやがある。そして,リップ・リグ・アンド・パニック『ゴッド』。こちらは12インチ45回転で2枚組にしている。そうするだけの価値がある見事な音質である。音がパリパりしている。この効果を最大限生かすために作られたのがパブリック・イメージ・リミテッド『メタル・ボックス』だったわけだ。さすがにこれは持っていないが。

近年,オリジナルのLPを12インチ45回転の2枚組にして再リリースする動きがある。音質重視の作戦だろう。しかし,もともとのLPというフォーマットを45回転2枚組にしてまで聴くのはどうかという疑問は今もある。音質が明らかに違うことに気付いたとしても,やはり釈然としない。オリジナルのフォーマットを守りたい気持ちは消えないのだ。したがって,今後は気になるアーティストが当時発売した12インチ45回転の中古盤を見つけた時は買ってみることにしよう。
A Million Miles Away - The Plimsouls
A Million Miles Away - The PlimsoulsDANGER1&2 - DANGER
DANGER1&2 - DANGERSTAY CLOSE - 高橋幸宏, スティーブ・ジャンセン
STAY CLOSE - 高橋幸宏, スティーブ・ジャンセンGOD ~ EXPANDED EDITION - RIP RIG + PANIC
GOD ~ EXPANDED EDITION - RIP RIG + PANIC

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