3ムスタファズ3 80年代末無国籍音楽[No.794]

新譜を始めからCDで買うようになったのが88年から89年ごろ。この頃デビューした新人アーティストで,好んで聴いていたのが,ロックに英米以外の音楽を取り込んだスタイル。フランス出身レ・ネグレス・ヴェルト,マノ・ネグラ,アメリカはテキサス出身ブレイヴ・コンボ。そして,バルカン半島シェゲレリ村出身との触れ込みだった3ムスタファズ3。メンバー全員がいとこ同士といういかにも怪しいバンドだったが,その音楽もそうとう怪しげで魅力的だった。

東欧系のポルカに中近東ムード,かと思えばファンク・ビートにラップ。使われている言語も英語,ドイツ語,クロアチア語などなど。カントリー調もあり,インド風あり,アフリカン・ミュージックの要素もあり。楽器もブズーキなど民族楽器を多数使用。正しく無国籍音楽だった。今聴いても十分に楽しめるのは,演奏力の高さとミクスチャーのアイディアの豊かさゆえ。

レ・ネグレス・ヴェルトはフランスのミュゼットなどの伝統音楽をベースに,スペイン風,アラビア風の音楽を取り入れ,ロックの熱さをもって演奏したグループ。アコースティックな感覚が強いファースト・アルバムは,改めて聴いても味わい深い。マノ・ネグラはパンク,スカ,ファンク,ラテン,中近東などなどの要素をごちゃまぜにして高速で一気に走り切る爽快感を持ったバンドだった。『パチンコ地獄』と題された日本公演を収めた傑作ライヴ盤も忘れられない。

ブレイヴ・コンボはいまだに新譜が出れば買うほどのファンだが,『ヒューマンズヴィル』を初めて聴いたときの衝撃は忘れられない。ポルカといういかにも古臭いジャンルの音楽を最高のダンス・ミュージックに仕上げる新しい感覚と,カヴァー曲の妙味。映画『エクソシスト』でお馴染みの「チューブラ・ベルズ」「茶色の小瓶」に化ける「チューブラ・ジャグス」は,いつ聴いても腰が砕ける可笑しさ。

これらのバンドとの出会いがワールド・ミュージックへの扉を開いてくれた。その後,ラテンやアフリカン・ミュージックを聴くようになったのは彼らのおかげだ。しかし,やはり忘れられないのは,3ムスタファズ3のいかがわしさだ。どう聴いても怪しいまがい物の魅力にあふれたバンドだった。それもそのはず、後に明らかになったように彼らは英国人のスタジオ・ミュージシャンによるバンドだったのだ。徹底した無国籍ぶりは英国人らしいジョークの賜物だった。これだけの雑多な音楽性を一つにまとめ上げたポピュラー・ミュージックもそうそうあるもんじゃないだろう。

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エピックレコードジャパン
1989-04-21
3ムスタファズ3

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Delabel France
1991-01-12
Les Negresses Vertes

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Puta's Fever
Virgin Records Us
1992-06-29
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Rounder / Umgd
1992-02-14
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