[No.691]『ゴー・アヘッド!』/山下達郎('78)

ソロになっての4作目。本人のライナーノーツによると,「たぶんこのアルバムが最後だろうという悲観的な予測」をしていたらしいので,それまでのアルバムの売り上げが芳しくなかったことがわかる。内容的には,それまでのアルバムの良いところを結集したようなヴァラエティあふれる作りで,本人の意向とは裏腹に充実した仕上がりとなっている。この時期の山下達郎のサンプルとも言える見本市アルバムだ。

まずは一人アカペラ「OVERTURE」から。続く「LOVE CELEBRATION」が英語詞なのが残念なのだが,「細野晴臣さんプロデュースで,アメリカ人女性シンガーのアルバムが制作され」た際の提供曲を自身でレコーディングしたためとのこと。スラップ・ベースが唸るミディアム・ファンク・チューン。「レッツ・ダンス・ベイビー」は言わずと知れた初シングル曲にして,ライヴの定番曲。キングトーンズ用に書いた曲だ。

B面一曲目の「BOMBER」は,大阪のディスコでヒットし,AB面を入れ替えてシングル発売されたという曰く付きの曲。このおかげで山下達郎の首はつながり,その後のブレイクの足がかりとなったのは有名な話。「潮騒」もライヴ定番曲だ。「PAPER DOLL」は演奏陣のがんばりが光るクールなファンク。ライヴ盤『It's a Poppin' Time』での村上’ポンタ’秀一のドラミングは見事だった。

後に映画の主題歌として使われることになる「2000トンの雨」で最後を締める。彼なりのフィル・スペクター・アプローチ。これだけの豊富な内容なのだから,やはり結果はやがて付いてくるわけだ。吉田美奈子の作詞が多かったのだが,本作では自身の作詞作曲ナンバーが増え,それも後の活動へとつながっていく。

前作『SPACY』に続き,本作,そして次作『ムーングロウ』と益々作品の充実度が高まるこの時期の山下達郎サウンドには,その後の時期にはない若さ故の楽しさがある。思い出してみれば,当時少年ジャンプに『すすめ!! パイレーツ』を連載していた江口寿史が,「GO AHEAD」という短編を書いていた。『パイレーツ』のネタで山下達郎の曲を取り上げることもあった江口寿史のこと,意識していたのではないだろうか。



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