[No.252]Since You're Gone/The Cars('81)

イントロの「カッカッカッカカ」というフレーズに続いてそれぞれの楽器が入ってくると、冒頭のフレーズが実は裏打ちのリズムだということに気づかされる。表と裏が逆転する面白さ。昔はこんな風に聴く者を「おやっ」と思わせる工夫に満ちた曲の出だしがあったものだが、最近そういうところに神経を使うミュージシャンはいるものなのだろうか?
このような気の利いたサウンドと歌詞をスマートにそして実に効果的に使って、なおかつ非常にポップな楽曲を作り上げていたのがカーズだった。今聴いてもそのクールな音づくりには唸らされる部分が多い。アメリカのバンドでありながらイギリス的なひねった感覚を上手に取り入れていたところがポイント高し。
ラスト・アルバム以外の5枚のオリジナル・アルバムは学生時代にすべて何度も繰り返して聴いたし、アルバム未収録曲の入ったベスト盤も持っている。このバンドの持つセンスの良さが私の心をとらえたわけだ。合わせて「ユー・マイト・シンク」などのミュージック・ヴィデオのおかしみにも心をくすぐられた。
さて、 「シンス・ユーアー・ゴーン」は4枚目のアルバム「シェイク・イット・アップ」のA面1曲目のナンバーだが、ここでのエリオット・イーストンによるギター・ソロはなんとキング・クリムゾンロバート・フリップへのオマージュなのだそうだ(前述のベスト盤のライナーノーツによる)。ギターの1弦だけを使って弾こうとしたため、残り5本の弦にテーピングをして演奏したらしい(ただし、ギターソロのすべてが1弦だけを使っているわけではない)。確かにこの音色はロバート・フリップの香りがする。カーズクリムゾンがこんなところでつながるとは。意外であるがそうしたところがカーズらしさでもあるわけだ。
バンド解散後、リック・オケイセックはプロデューサーとしてソロ・アーティストとして活躍、もう一人のヴォーカリストであるベンジャミン・オールは新バンドを結成して活動していたが残念ながら亡くなってしまった。朝日新聞に彼の死亡記事が載ったことは忘れられない。ギターとキーボードの二人がトッド・ラングレンをヴォーカリストにニュー・カーズを結成しライヴを行ったのは2006年のことだった。それぞれの道で活動は続けられているのだが、やはりカーズを越える作品には出会えないでいる。

Shake It Up
Elektra
1987-06-01
The Cars

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