タイロン・デイヴィス1970年 [No.938]

タイロン・デイヴィスというアーティストとは何故かこれまで縁がなかった。アルバムは多数出ているし,ブラック・ミュージック,ソウル関係のガイドブックには必ず載っている。にもかかわらず,手が伸びなかったのは,モータウン,スタックスでもなく,ましてやサザン・ソウルでもファンクでもフィリーソウルでも80年代ブラック・ミュージックでもないからか。つまり,特徴が掴めないままこれまで時を過ごしたという感じだ。しかし,これはいいレコードだ。

タイロン・デイヴィスはシカゴ・ソウルを代表するヴォーカリストだ。ほぼ40年にわたって作品を発表し続けてきた大物である。本作は1970年にダーカーから出された彼の代表作の一枚。「ターン・バック・ザ・ハンズ・オブ・タイム」がR&Bシングル・チャート1位を記録し,ほかに3曲のシングルを含むアルバムである。シカゴ・ソウル。分かるようで分からない括りだ。これでは彼との接点が見つからなかったわけだ。

本作のサウンドの特徴は,華麗なホーンセクション。しかし,フィリーソウルのような甘さはない。それよりもミュージカルのような華やかさ。それが都会的なサウンドとなって表れる。リズム隊だけ聴けばサザン・ソウル的な土臭さも感じられる。そこに派手なホーンが絡むと一気に洒落た街並みが出現する。これこそが本作の魅力だ。

タイロン・デイヴィスのヴォーカルは熱すぎずあっさりしすぎず,絶妙の匙加減だ。そして,非常にうまい。バックの豪華なサウンドの中に埋もれず,しっかりと自己主張できる説得力がある。もっと早く聴けばよかったと後悔するくらい,良い作品に仕上がっている。もう一枚『ターニングポイント』という1975年のアルバムも購入したが,サウンドが違っていて,本作には本作だけの良さがあると確信した次第。

まだまだ,聴いたことがないアーティストとの新たな出会いはある。これだからレコード・ハンティングはやめられない。
ターン・バック・ザ・ハンズ・オブ・タイム+3 - タイロン・デイヴィス
ターン・バック・ザ・ハンズ・オブ・タイム+3 - タイロン・デイヴィスターニング・ポイント - タイロン・デイヴィス
ターニング・ポイント - タイロン・デイヴィス

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント