ハミルトン・ボハノン『キープ・オン・ダンシン』の衝撃[No.936]

ただの一度も聴いたことがないハミルトン・ボハノンのレコードを手に入れた。ブラック・ミュージックでファンクらしいことだけが事前情報だった。レコードに針を乗せると緩めのビートが刻まれ女性コーラスが入る。さてどうなるのだろうと思って聴いていたら,何も起きずに終わってしまった。「ラップ・オン・ミスターDJ」という3分の曲だ。これは一体何なのだ。

続くアルバムタイトル曲。1曲目よりは強めのビートでやはり女性コーラス。ベースがよく動くフレーズを繰り返す。「サックスを聴かせて」というヴォーカルの後にサックス・ソロ。とは言えベースは相変わらず同じフレーズだ。そのまま終わってしまった。5分。どうやらこれは何も起こらないレコードのようだ。

これといったサビもないフレーズの繰り返し。リズム隊も1曲のうちでほぼ同じパターン。ギターもキーボードもフレーズは奏でるが決して自己主張しない。そして山場もなく終わっていく。このレコードの作られ方がわかると,聴くうちにだんだんとその意味が分かってくる。ひたすらパターンを反復するこの曲たちは,実にクールだ。何も起こらないことがクールに思えてくるというマジックが起こる。そんなレコードだ。

ハミルトン・ボハノンスティーヴィー・ワンダーのライヴに参加し,その後モータウンでバックを担当したドラマーだ。ソロに転身し本作は2枚目。レコードのA面はただただ反復する曲が4曲。B面は1曲目でピアノが流麗に流れる曲をもってきて雰囲気を一変させる。しかし,その後の曲はやっぱり反復もの。それだけにこだわる作りだ。

トム・トム・クラブ「ジーニアス・オブ・ラヴ」という曲の中で,ジェイムズ・ブラウン,ブーツィー・コリンズ,ボブ・マーリーらの名前を歌いこんでいる。そして,ボハノンの名もまた歌われている。しかも何度も何度も連呼するのだ。このことを後から知ってハミルトン・ボハノンというミュージシャンを再確認した。

久しぶりに衝撃的な出会いをしたレコードだった。ボハノン,ボハノン,ボハノン,ボハノン…。ひたすら反復。
キープ・オン・ダンシン+4 [ソウル名盤980円] - ボハノン
キープ・オン・ダンシン+4 [ソウル名盤980円] - ボハノンおしゃべり魔女 - トム・トム・クラブ
おしゃべり魔女 - トム・トム・クラブ

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