上を向くロック・バンドのジャケット 『マイ・ジェネレーション』[No.901]

バンド・メンバーが立ち,カメラを見上げているジャケットと言えば,やはりまずは,ザ・フー『マイ・ジェネレーション』だろう。この有名なジャケットにオマージュを捧げるバンドがいくつかある。スペシャルズ,プリテンダーズ,アンダートーンズなどだ。それらには実は共通点がある。それが非常にロックらしい理由なのだ。

ザ・フー『マイ・ジェネレーション』は元祖だけあって,メンバーの見上げ方がいい。全員がしっかりとカメラを見上げている。視線が一か所に集まっていて力を感じる。スペシャルズのファースト・アルバムもメンバーの目つきがいい。特にジェリー・ダマーズの鋭い視線のにらみが効いている。惜しむらくは2人のメンバーがサングラスをかけていて目が写っていないこと。さらに内一人は視線が別のところに向いている。これは減点ポイントだ。ただし,裏ジャケットで撮影の様子を横から撮った写真が使われているのがポイント高し。こちらは全員がカメラの一点を凝視している。

アンダートーンズのアメリカ盤のジャケットも見上げる角度がいい。おまけにメンバーがまだまだ子どもの顔をしているのがポイント高し。ただし,残念なことに一人だけ目を閉じてしまっている。惜しい。プリテンダーズ『ラーニング・トゥ・クロール』。こちらはオリジナル・メンバーのクリッシー・ハインド,マーティン・チェンバースがカメラを見据え,新加入の二人は別方向を見ているというもの。なにやら示唆的だ。

さて,冒頭に述べた共通点だが,お分かりだろうか。ザ・フー,スペシャルズ,アンダートーンズの3組はいずれもデビュー・アルバムであることだ。私には上を目指して上がっていってやるぞ,という決意表明と思えるのだがどうだろうか。底辺から上にのし上がっていくぞ,という意味に取れるバンド・メンバーのいる地面と高い位置にカメラがあるという関係に見えてくる。では,プリテンダーズはどうか。こちらは3枚目のアルバム・ジャケットだが,このアルバム発売前にバンドは2人をドラッグの過剰摂取で亡くしている。新メンバーを入れて再出発という意味のこのジャケットではないだろうか。ここに,下から上へ駆け上がっていくという意識の表れという共通点を見出すことができるのだ。

こんなことを考えていると,ふと,ビートルズ『プリーズ・プリーズ・ミー』のジャケットを思い出す。あれは逆に上から下を見下ろしている構図だ。しかもメンバーはにこやかな笑顔だ。見上げジャケットでは誰一人笑っている者はいない。やはりビートルズは最初から人々に喜びを与える存在だったのだ,とジャケット写真から思うのだった。
マイ・ジェネレーション(デラックス・エディション) - ザ・フー
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