アンダートーンズ 1979年遅れてきたUKパンク[No.899]

2月に書いた記事で,1979年の英ロックの充実ぶりについて触れた。その際,遅れてきたパンクとしてアンダートーンズ,スティッフ・リトル・フィンガーズなどを挙げた。今回は1979年のUKパンクを紹介しよう。中でもアンダートーンズのファースト・アルバムは良い出来だ。フィアガル・シャーキーの独特の声質,推進力抜群のバンド・サウンド,そしてポップな楽曲と充実したデビュー作である。

実際のところ,主要なパンク・バンドのほとんどは1977,1978年にデビュー・アルバムを発表している。セックス・ピストルズ,ザ・ダムド,ザ・クラッシュ,ストラングラーズ,ザ・ジャム,ボーイズ,ヴァイブレーターズ,バズコックス,ジェネレーションXなどなど。そんな中,同じ北アイルランドから1979年にデビューしたのが,アンダートーンズ,スティッフ・リトル・フィンガーズだった。他にいかにもパンク・バンドらしい1979年組は,チェルシー,UKサブス,アンジェリック・アップスターツくらいだろうか。なにしろ1979年は,クラッシュにしろジャムにしろ,すでにデビュー時のパンク・サウンドから脱却していたし,ザ・ポップ・グループ,ジョイ・ディヴィジョン,スリッツ,2トーン勢など,明らかに初期パンク以後のサウンドのバンドが多数デビューした年だ。そこにもろパンクなサウンドはやはり遅れている。初期パンクは2年足らずの賞味期間だったのだ。

にもかかわらず,アンダートーンズのファースト・アルバムは素晴らしい。ポップ・パンクとも呼ぶべき明るさが良い。本作に先駆けた1978年のシングル曲「ティーンエイジ・キックス」は,パンク名曲としていまだ語り継がれている。私が持っているファースト・アルバムはアメリカ盤で同曲も含まれている(UKオリジナル盤には未収録)。アルバムを通して聴くと「ティーンエイジ・キックス」だけがミックスが違うのが分かる。とにかくギターの音が大きい。ドラムがギターの奥に隠れてしまっている。ところがそのミックスが本曲を永遠のパンク・シングル曲に仕立て上げたのだ。英国でパンクを支持した有名DJ,ジョン・ピールは自分の葬式で「ティーンエイジ・キックス」をかけてほしいというほどに,本曲に入れ込んでいた。その気持ちは良く分かる。私にとってもパンク最高シングル曲の一つである。

ちなみにアメリカ盤のジャケットは本国盤と違い,メンバーがカメラを見上げて並んでいる写真が使われている。ザ・フー『マイ・ジェネレーション』でお馴染みのあの撮影方式である。それがまたパンクらしくて嬉しい。
The Undertones - Undertones
The Undertones - UndertonesInflammable Material - Stiff Little Fingers
Inflammable Material - Stiff Little FingersChelsea - Chelsea
Chelsea - ChelseaAnother Kind of Blues - UK Subs
Another Kind of Blues - UK SubsTeenage Warning - Angelic Upstarts
Teenage Warning - Angelic Upstarts

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント