『夢織り人』ゲイリー・ライト[No.896]

収入の多くをライヴ,コンサートに頼っているミュージシャンたちには,どうにかこの苦境を乗り越えてほしいと思う。私にはレコードを聴くことしかできないが,騒動が収まった頃には,世界中に生演奏が溢れ返ることだろう。その日が一日も早く訪れますように。さて,今日紹介するゲイリー・ライト『夢織り人』は,タイトル曲「ドリーム・ウィーヴァー」が全米1位を記録したというヒット作。今回初めて聴きました。この作品の面白さは,実はファンキーな演奏と,ギター抜きのサウンド・メイキングのユニークさなのだ。

ドラムスがアンディー・ニューマーク,ジム・ケルトナーというプロ中のプロ。デヴィッド・フォスターの名前も見えるが,ゲイリー・ライトのクレジットがすごい。ムーグ・ベース,クラヴィネット,ハモンド・オルガン,フェンダー・ローズ,アープ・ストリングス,ムーグ・ブラス,ウッド・ウィンズ(木管楽器),スペシャル・エフェクツ。演奏のほとんどを彼自身のキーボードで行っているのだ。特にムーグ・ベースの導入は,1975年という発売時期を考えるとかなり早いと思われる。そして,それが実にファンキーなノリを引き出すのに貢献している。ゲイリー・ライト恐るべし。

ゲイリー・ライトは,スプーキー・トゥースで活躍した後にソロに転向している。調べてみて初めて知ったが,元々はアメリカ生まれで,子役時代があり,ドイツ留学時にマイク・ハリスンらと出会い,スプーキー・トゥースを結成している。セカンド・アルバム『スプーキー・トゥ』での米南部志向は,彼の影響だろうか。イギリス・ロック界が一気に米南部サウンドに向かう時期だけに,ゲイリー・ライトも一役買っていたのかもしれない。

ヒット曲「ドリーム・ウィーヴァー」はバラードで良くできているが,むしろファンキーなアルバム収録曲の方が面白い。キーボード主体のファンク・サウンドは,80年代ブラック・ミュージックを予感させる。ゲイリー・ライト自身のソウルフルなヴォーカルが力強く,黒人音楽寄りの音楽性をさらに推し進めている。良いレコードを手に入れた。
夢織り人~ドリーム・ウォーヴァー(紙ジャケット仕様) - ゲイリー・ライト
夢織り人~ドリーム・ウォーヴァー(紙ジャケット仕様) - ゲイリー・ライトスプーキー・トゥー+7(紙ジャケット仕様) - スプーキー・トゥース, スプーキー・トゥース, J.R.ロバートソン, ゲイリー・ライト
スプーキー・トゥー+7(紙ジャケット仕様) - スプーキー・トゥース, スプーキー・トゥース, J.R.ロバートソン, ゲイリー・ライト

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