南佳孝『サウス・オブ・ザ・ボーダー』[No.869]

1978年の作品で,やっとアナログ盤で購入した。450円也。値段通りに,歌詞カード&クレジット掲載の内袋は黴だらけ。盤の状態もかなり汚れが目立つ。早速,アナログ洗浄液で綺麗にしてからターンテーブルへ。この暑い夏によく似合うサウンドだ。近年流行りのシティ・ポップ名盤として語られる本作は,全曲坂本龍一のアレンジで実によくできたサウンドである。そして,南佳孝のヴォーカルおよび楽曲の良さが十二分に発揮された,確かに傑作と呼ぶにふさわしい作品である。

松原正樹,細野晴臣,林立夫,髙橋ユキヒロ,鈴木茂,浜口茂外也など参加ミュージシャンの豪華なこと。さらにブラス・セクション,ストリングス・セクションも加え,何とも贅沢なレコーディングである。全体的にはサンバなどラテン・サウンドが主流なので,ブラスやストリングスがよく生きている。

ここに収められた楽曲は今でもライヴで披露されることが多い。「プールサイド」「日付変更線」「夜間飛行」「終末のサンバ」などはお馴染みのナンバーだ。それだけ本作は南佳孝にとって大切な一枚なのだろう。そういえば「日付変更線」大貫妙子とのデュエットだった。おまけに作詞は松任谷由実と,やはり豪華な作りだ。ついでに言うとジャケットの絵は池田満寿夫によるもの。

サウンドは,この時期ならではの日本人が作る洋楽。シティ・ポップと呼ばれる音楽の見本のような音が鳴る。そして,南佳孝の書くメロディは架空の洋楽風であるが,歌謡曲テイストがところどころに顔をのぞかせる。その匙加減が何とも絶妙なのだ。これ以上歌謡寄りにしてしまうと恥ずかしいし,と言って歌謡曲テイストを減らしてしまうと味気なくなる。やはり南佳孝の個性は独特なものであることが良く分かる名盤である。
サウス・オブ・ザ・ボーダー [Analog] - 南佳孝
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この記事へのコメント

偉大なる詐欺師
2019年08月12日 18:20
いいアルバムですよね。(と言っても最初に聴いたのは中学3年の頃友人Sから貰ったカセットテープでだったけど)アルバム1曲目にスローテンポの「夏の女優」を持ってくる辺り、「大人の音楽」を強烈に感じます。強烈な夏の日差しというよりは一寸陰ったような、メロゥな中に「夜間飛行」といった疾走感を伴う曲がやってくるバランスの良さ。シティポップ、日本リゾートミュージックの歴史に残る名盤である事は揺るがないでしょう。