[No.778]『ゲット・リズム』/ライ・クーダー('87)

Get Rhythm/Ry Cooder('87)
先日、久々に新宿のディスク・ユニオンにレコードを買いに行ったら、800円、500円、300円コーナーがあり、思わずまとめて安レコ買いをしてしまった。ディスク・ユニオンは,安くても盤質はしっかりしているので,安心できるよい買い物だった。その中の一枚がこれで,CDでしか持っていなかったのでありがたかった。本作の一番の聴きどころは,ライ・クーダーの豪快なスライド・プレイだ。

ライ・クーダーのスライド・プレイといえばアコースティックギターを思い浮かべる人もいるだろうが,ここでのプレイは,エレキギターによるもので,凄まじい迫力だ。特にレコードB面の「オール・シュック・アップ」「アイ・キャン・テル・バイ・ザ・ウェイ・ユー・スメル」「レッツ・ハヴ・ア・ボール」でのギターの演奏とその音色は,狂暴といっても過言ではないレベルだ。彼のスライドは重い。低音弦の音は太く荒々しい。中音域は張りがあり,演奏の素晴らしさと相まって惚れ惚れとさせられる。

スライド・プレイと言えば,すぐに思い浮かべるのはデュエイン・オールマンだ。「ステイツボロ・ブルース」のイントロのスライド・ギターでその魅力を知ったロック・ファンは多いことだろう。彼のプレイは鋭い。それに対してライ・クーダーのプレイは重く激しい。アコースティック・ギターのプレイだと非常に繊細な感じがするのに,何故エレキギターのライ・クーダーは荒々しい音色になるのだろうか。

そこで資料に当たってみた。レコードコレクターズ2012年5月号「20世紀のベスト・ギタリスト100」特集である。30人の評論家が選んだランキング形式なのだが,何とライ・クーダーが第7位,デュエイン・オールマンが第8位で見開きの左右のページに二人が並んで紹介されている。これは単なる偶然なのだが,調べ物をしたり考えをまとめたりしているときにこうした偶然はよく起こる。そして,それが解決の糸口になることが多い。今回は,ライ・クーダーのページに疑問の答えが書かれていた。「通常よりかなり太いゲージの弦を選択している」のだそうだ。それが荒々しいサウンドの原因ではないか,と納得した次第。

さらに,レコードコレクターズ2009年6月号「米ロック・ギタリスト」特集で見てみると,驚くべきことにここでもデュエイン・オールマンライ・クーダーは見開き左右のページなのだった。ここでは80年代のサウンドトラック仕事について少し触れていた。それで思い出したのが,映画『ストリート・オブ・ファイア』だ。サントラには入っていないが,映画で使われていた曲はボ・ディドリイのジャングル・ビートに乗せたエレキギターだった。映画は84年公開で,本作の数年前だ。本作でも「ロウ・コモーション」という曲はインストゥルメンタルで,サントラ的なサウンドだ。したがってサントラ仕事も,本作のエレキ・スライド・プレイに影響しているのだ。

久しぶりにたっぷりとライ・クーダーのスライド・プレイを堪能した。しかし,今度はアコースティック・ギターによるボトルネック奏法も聴きたくなるというもの。『パラダイス・アンド・ランチ』のアナログ盤を引っ張り出して聴こうか。レコード探訪の旅はまだまだ続くのだった。


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