[No.767]『パック・アップ・ザ・プランテーション‐ライヴ』/トム・ペティ('85)

Pack Up The Plantation - Live!/Tom Petty And The Heartbreakers('85)
トム・ペティの2014年のアルバム『ヒプノティック・アイ』が,アメリカのアルバム・チャートで1位を獲得,というニュースを聞いて非常に驚いた記憶がある。トム・ペティがアメリカン・ロックの重要人物であることが証明されたわけだが,その人気は一体どこから来るものなのか。1985年発表の本作を聴きながら,その秘密の鍵の一つがライヴにあることを再確認した。

LPでは2枚組,全16曲の本作中,カヴァー曲が5曲も含まれている。ライヴ作ならでは,とも言えるが,むしろ積極的にカヴァー曲を収録したという印象だ。そういえば,『THE LIVE ANTHOLOGY』と題された2009年発表のCD4枚組ライヴ・ボックス・セットでも,カヴァー曲が多数収録されていた。このことからも,カヴァー曲を収録しているのは,意図的な選択であることが明らかである。

ザ・バーズ「ソー・ユー・ウォント・トゥ・ビー・ア・ロックン・ロール・スター」,サーチャーズ「ニードルズ&ピンズ」,アニマルズ「ドント・ブリング・ミー・ダウン」,アイズレー・ブラザーズ「シャウト」,ジョン・セバスチャン「ストーリーズ・ウィ・クッド・テル」以上が5曲のカヴァー曲。アメリカン・ロック,ブリティッシュ・ビート,R&Bといった自身のルーツである偉大な先達への敬意を表するかのような選曲である。こうした姿勢が,トム・ペティ評価の高さの一端を示しているのではないか。

過去の優れたロック,ポップ,R&Bなどへの尊敬の念をライヴで顕わにしながら,それらに影響を受けた楽曲でアルバムを作るアーティストとして,トム・ペティはアメリカ本国で認知されているのであろう。だからこそ,聴衆はトム・ペティを,ポピュラー・ミュージックを作り上げてきたミュージシャンの意思を継ぐ者として捉えているのではないか。それが現在,アメリカン・ロックの重要人物として,セールスでも結果を残していることにつながっていると考えられる。

本作を聴いていると,観客が演奏を心から楽しんでいる様子が伝わってくる。トム・ペティの音楽に向かう姿勢が聴衆に広く支持されているからこそ,彼は現在もロック・シーンの第一線で活躍できているのだろう。

Live: Pack Up the Plantation
Mca
1990-10-25
Tom Petty & Heartbreakers

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Live Anthology
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2009-11-23
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この記事へのコメント

2016年10月20日 08:10
正に1から10まで、共感します。現在のアメリカではスプリングスティーンよりも、ペティの方が重要人物だと思います。ただその辺のニュアンスが日本人にはなかなか理解しがたい所かもしれません。
2016年10月23日 09:41
あまり確信はなかったのですが,シュガー・シェイカーさんのコメントで自信をもちました。「スプリングスティーンよりペティ」というご指摘に納得しています。その割に日本ではそういう話題にならないのが疑問です。

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