[No.764]『ビル・ラバウンティ』/ビル・ラバウンティ('82)

Bill LaBounty('82)
AORは洗練されたサウンドで心地よい音楽なのだが,それ故雰囲気作りのBGMになりうる危険性もはらんでいる。そこに落ち込まないようにするために重要なのは,やはりヴォーカリストの力であろう。この道の先達であるボズ・スキャグスがその好例だ。いくら洗練されたサウンドでも,彼のヴォーカルを聴きたくなるから聴く,ということだ。今回紹介するビル・ラバウンティボズ・スキャグスほどではないにしろ,この手のサウンドの中では力強い歌声を聴かせてくれる。

ライナーノーツによると,2014年に7作目の新譜を発表し,ジャパン・ツアーを行い,といった具合で,現役バリバリの人らしい。本作では,バック・ミュージシャンには,AORと言えばのTOTOのメンバー,同じくスティーヴ・ガット,アンディー・ニューマーク,チャック・レイニー,デヴィッド・サンボーンなどなど,間違いのないメンバーを揃えている。プロデューサーのラス・タイトルマンが声をかけて集めたという。これで音は保証された。あとは曲とヴォーカルである。

ビル・ラバウンティのヴォーカルは,ブラック・ミュージックの唱法に影響されたニュアンスをもつ。特別に上手いというわけではないが,好感がもてる。彼のヴォーカル・スタイルが生かされるお洒落ながらもソウルフルな楽曲が用意されている。つまり,本盤の成功の肝はやはりヴォーカルなのだ。

AORが黒人音楽の白人側からの解釈という側面をもつジャンルだとすれば,より洗練された聴きやすさの中にソウルフルな歌声が乗るのは当然のことであろう。AORをブルー・アイド・ソウルの70年代後半から80年代前半版ととらえると,おのずと黒人的ヴォーカル・スタイルの必然性が見えてくる。その意味でビル・ラバウンティのヴォーカルは伝統に則ったもので合格なのだ。

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