[No.759]『カラー・バイ・ナンバーズ』/カルチャー・クラブ('83)
Colour By Numbers/Culture Club('83)
カルチャー・クラブ最大のヒット作を,日本盤のLP540円で購入。全英1位,全米2位,400万枚のセールスを記録し,シングル曲も「ポイズン・マインド」「カーマは気まぐれ」「ミス・ミー・ブラインド」と全米トップ10ヒット曲を連発。日本盤にはおまけで「タイム」(全米2位)も収録されお買い得だ。イギリス人のブラック・ミュージック好きが,これほどうまくヒットに結びついた例は80年代では本作がピークだろう。
「カーマは気まぐれ」はブルース・ハープをフィーチャーしているのが肝。「ポイズン・マインド」のモータウン的頭打ちビート,「ミス・ミー・ブラインド」での都会派ファンク・ビートと黒人音楽に学んだ要素が各楽曲にスムーズに投入されている。「イッツ・ア・ミラクル」「ポイズン・マインド」などでの女声ヴォーカル,ヘレン・テリーのコーラスの貢献も大きい。
さらに,アルバムを聴き進めると,主役であるボーイ・ジョージが,各曲で実に滑らかなヴォーカルを聴かせていることに気付く。黒人マナーのシャウトなどはないのだが,むしろ抑えめにじっくりと歌うボーイ・ジョージのシンガーとしての魅力が本作のヒットの要因の一つであることが分かる。
今聴いても,確かに売れるサウンドである。しかし,どうしても物足りないのはロック感で,それは本作に求めるものではないだろうが,ロック・ミュージシャンとしてのブラック・ミュージックへのアプローチが感じられればと思ってしまう。一言でいうと軽いのだ。ガツンと来ないわけだ。
思えば60年代のブリティッシュ・ビート勢は,ブラック・ミュージックへの憧れを非常に無骨に表現していた。解釈が荒かった。しかしそれが魅力だった。80年代にブラック・ミュージックに影響された英国ミュージシャンは多かった。しかし,妙にこなれていてスムーズ過ぎる感があった。本作がその代表格で,だからこそ売れたのだと再認識した。例えば,バウハウスやザ・キュアーがファンク・ビートを導入した時のあのぎこちなさは,だからこそ大きな魅力だったのだ。カルチャー・クラブはブラック・ミュージックへの接近の仕方がうますぎる。ロック的ではないアプローチがあの時代に求められヒットに結びついたのだろう。
カルチャー・クラブ最大のヒット作を,日本盤のLP540円で購入。全英1位,全米2位,400万枚のセールスを記録し,シングル曲も「ポイズン・マインド」「カーマは気まぐれ」「ミス・ミー・ブラインド」と全米トップ10ヒット曲を連発。日本盤にはおまけで「タイム」(全米2位)も収録されお買い得だ。イギリス人のブラック・ミュージック好きが,これほどうまくヒットに結びついた例は80年代では本作がピークだろう。
「カーマは気まぐれ」はブルース・ハープをフィーチャーしているのが肝。「ポイズン・マインド」のモータウン的頭打ちビート,「ミス・ミー・ブラインド」での都会派ファンク・ビートと黒人音楽に学んだ要素が各楽曲にスムーズに投入されている。「イッツ・ア・ミラクル」「ポイズン・マインド」などでの女声ヴォーカル,ヘレン・テリーのコーラスの貢献も大きい。
さらに,アルバムを聴き進めると,主役であるボーイ・ジョージが,各曲で実に滑らかなヴォーカルを聴かせていることに気付く。黒人マナーのシャウトなどはないのだが,むしろ抑えめにじっくりと歌うボーイ・ジョージのシンガーとしての魅力が本作のヒットの要因の一つであることが分かる。
今聴いても,確かに売れるサウンドである。しかし,どうしても物足りないのはロック感で,それは本作に求めるものではないだろうが,ロック・ミュージシャンとしてのブラック・ミュージックへのアプローチが感じられればと思ってしまう。一言でいうと軽いのだ。ガツンと来ないわけだ。
思えば60年代のブリティッシュ・ビート勢は,ブラック・ミュージックへの憧れを非常に無骨に表現していた。解釈が荒かった。しかしそれが魅力だった。80年代にブラック・ミュージックに影響された英国ミュージシャンは多かった。しかし,妙にこなれていてスムーズ過ぎる感があった。本作がその代表格で,だからこそ売れたのだと再認識した。例えば,バウハウスやザ・キュアーがファンク・ビートを導入した時のあのぎこちなさは,だからこそ大きな魅力だったのだ。カルチャー・クラブはブラック・ミュージックへの接近の仕方がうますぎる。ロック的ではないアプローチがあの時代に求められヒットに結びついたのだろう。
この記事へのコメント
カルチャー・クラブとは、まったく別のアプローチをしたブルース・ブラザーズの方がロック・ファンには受けがよかったですね。