[No.717]『リメイン・イン・ライト』/トーキング・ヘッズ('80)
Remain In Light/Talking Heads('80)
ずいぶん久しぶりに聴いてみたが,やはりまぎれもない傑作だ。ニュー・ウェーヴの時代,ファンクやアフロ・ミュージックの導入を図ったグループは多数いたが,そうしたニュアンスをこのレベルまで高めてまとめ上げたアルバムは他にないのではないか。テクノ的なアプローチまでも手中に収め,しかも,1980年の発表というのは早すぎる。誰も追いつけない地平に本作は一人立ち続けている。
ジェイムズ・ブラウンのファンク・ビートとフェラ・クティのアフロ・ビートに学んだリズムを,白人の解釈で再構築したのが本作の肝である。両者に共通する延々と続くビートの反復を中心に据え,そこにメロディよりもリズムに特化したかのごとく繰り返されるギター,キーボードのフレーズが重ねられる。細かく刻むパーカッションの動きも見逃せない。ほぼリズムばかりで埋め尽くされている演奏に,デヴィッド・バーンの歌,ノーナ・ヘンドリックスのコーラス,或はエイドリアン・ブリューのギター・ソロが乗る。この音楽的構築はデヴィッド・バーンとブライアン・イーノによるものだ。
ビートの洪水ともいうべきアナログA面に対して,B面は疾走感を抑えてミディアム・テンポ~スロー・ナンバーへと展開する。ビートへの挑戦をやりきったバンドは,最終曲「オーヴァーロード」で淡々とアルバムを終える。
孤高の傑作と呼ぶにふさわしい尋常ならざる熱意と計算が,絶妙なバランスの上で融合している名作である。この後,バンドは『スピーキング・イン・タングス』を経て,シンプルなロック路線に向かい『リトル・クリーチャーズ』『トゥルー・ストーリーズ』を作る。やはり,バンドはやりきったのである。
ずいぶん久しぶりに聴いてみたが,やはりまぎれもない傑作だ。ニュー・ウェーヴの時代,ファンクやアフロ・ミュージックの導入を図ったグループは多数いたが,そうしたニュアンスをこのレベルまで高めてまとめ上げたアルバムは他にないのではないか。テクノ的なアプローチまでも手中に収め,しかも,1980年の発表というのは早すぎる。誰も追いつけない地平に本作は一人立ち続けている。
ジェイムズ・ブラウンのファンク・ビートとフェラ・クティのアフロ・ビートに学んだリズムを,白人の解釈で再構築したのが本作の肝である。両者に共通する延々と続くビートの反復を中心に据え,そこにメロディよりもリズムに特化したかのごとく繰り返されるギター,キーボードのフレーズが重ねられる。細かく刻むパーカッションの動きも見逃せない。ほぼリズムばかりで埋め尽くされている演奏に,デヴィッド・バーンの歌,ノーナ・ヘンドリックスのコーラス,或はエイドリアン・ブリューのギター・ソロが乗る。この音楽的構築はデヴィッド・バーンとブライアン・イーノによるものだ。
ビートの洪水ともいうべきアナログA面に対して,B面は疾走感を抑えてミディアム・テンポ~スロー・ナンバーへと展開する。ビートへの挑戦をやりきったバンドは,最終曲「オーヴァーロード」で淡々とアルバムを終える。
孤高の傑作と呼ぶにふさわしい尋常ならざる熱意と計算が,絶妙なバランスの上で融合している名作である。この後,バンドは『スピーキング・イン・タングス』を経て,シンプルなロック路線に向かい『リトル・クリーチャーズ』『トゥルー・ストーリーズ』を作る。やはり,バンドはやりきったのである。
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