[No.702]『ソードフィッシュトロンボーン』/トム・ウェイツ('83)

Swordfishtrombones/Tom Waits('83)
先日,車の中でBBC『オールド・グレイ・ホイッスル・テスト』第1集をかけていたら,トム・ウェイツが出てきた。「人によっては生理的に受け付けない声」とのカミさんの指摘に,映像付きだとそのしゃがれ声がさらにパワーアップして聞こえることを確認した。『スモール・チェンジ』発売時の出演らしく,ちょうどその頃が最もガラガラした声を強調するような歌い方をしていたな,と思い出した。

しかし,今回紹介するのは『ソードフィッシュトロンボーン』だ。酒場の酔いどれピアノ弾き的イメージを求められるのに飽きたトム・ウェイツは,自身のプロデュースで好きなようにアルバムを作る。しかし,あまりに非コマーシャルな内容にアサイラム・レコードは発売を拒否。結果,アイランド・レコードからのリリースとなった本作。スカスカのリズム隊やペラペラのギター。奇妙なインストゥルメンタル・ナンバーがあったり,およそロックとは縁の無さそうなバックの演奏があったりと,好き放題の散らかりよう。ところがこれが他に類を見ないユニークな音楽を生み出したのだから,この時期のトム・ウェイツは冴えまくっていた。

事実,次作『レイン・ドッグス』は映画『ダウン・バイ・ロー』と連動する形で曲が使われ,本人も主役級の出演となり,一気にメディアへの露出が進む。80年代半ばからの快進撃の出発点となったのが本作『ソードフィッシュトロンボーン』だったと言えよう。

今でこそ,わざとくぐもったような音質はそれなりに認められるようになったが,キラキラした80年代音楽シーンによくぞこの音で出してくれた,とアイランド・レコードの英断に感謝したい。そして,そもそもトム・ウェイツの声それ自体がロウ・ファイな音だったことが大きい。したがって,アサイラム時代よりもアイランド時代のサウンドの方が,トム・ウェイツの声にジャスト・フィットしていることを誰よりもよく知っていたのは,他ならぬトム・ウェイツ本人だったのだろう。


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