[No.560]『カフェ・ブリュ』/スタイル・カウンシル('84)

Cafe Bleu/The Style Council('84)
今日から9月というのに相変わらずの暑さは異常気象と言うより他ない。そんな訳でまだまだ夏サウンドが健在である。スタイル・カウンシルのデビュー・アルバムである『カフェ・ブリュ』は、高校時代の夏の昼下がりのイメージである。爽やかだったり朧気だったり曲調は様々ながら、いずれも夏の雰囲気として随分聴いた一枚である。今聞き返すとやはりポール・ウェラーはとんがっていたなあと再確認できた。

ザ・ジャムを解散して始めた新しいバンドのデビュー・アルバムのA面が、インスト曲ばっかりだというのはやはり尋常ではない。そのことに気付きながら、当時はそれほど違和感無く聴いていたのも逆に変だと思ったら、このアルバム以前にシングル盤の3連続リリースというのがあったのを思い出した。「スピーク・ライク・ア・チャイルド」「マネー・ゴー・ラウンド」「ロング・ホット・サマー」がそれである(正しくは「ロング・ホット・サマー」はEP)。それらを中心に『スピーク・ライク・ア・チャイルド』と題した7曲入りミニ・アルバムが発売されていた。それによりわりと普通のポール・ウェラーのヴォーカル入りナンバーを聴いていたので、『カフェ・ブリュ』のインスト曲の多さに対応できたのだろう。

インスト曲の中でも「ブルー・カフェ」は出色の出来だ。揺れる葉の間からきらめく木漏れ日をぼんやり眺めているかのようなムードの中、心地よいギター・ソロがゆったりと流れていく。このギターをものにしたことでポール・ウェラー自身のギタリストとしての幅がぐんと広がった。続く「ザ・パリス・マッチ」での物憂げなトレイシー・ソーンのヴォーカルと合わせて、いつまでも聴いていたい緩さがたまらないA面の山場である。追い打ちをかけるのが「マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ」のピアノをバックにしたヴァージョンで、ポール・ウェラーのメロディ・メイカーとしての才能が遺憾なく発揮されている。

B面ではラップやらもろP-FUNKやら、フィドルが入った曲やらヴァラエティに富んだ歌ものが続く。肝は「ユー・アー・ザ・ベスト・シング」でこれまた夏の気怠い午後の代表曲である。

インストにしろ緩い曲にしろ黒人音楽への接近にしろ、スタイル・カウンシルというユニット名どおりザ・ジャム時代を払拭するにふさわしい多様なサウンドで聴く者を驚かせ楽しませたポール・ウェラーが、現在でも同様にとんがったアルバムを発表し続けていることは80年代を生きた者の誇りである。

カフェ・ブリュ
USMジャパン
2011-11-09
ザ・スタイル・カウンシル

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この記事へのコメント

2012年09月01日 14:26
カフェ・ブリュー傑作ですね。ミック・タルボットとのコンビネーションも新鮮だった。スタイル・カウンシルはEPとかも含めていかしてました。さすがに後半2枚のアルバムはネタぎれ気味でしたが…
2012年09月02日 17:09
やはり最初の2枚だと思います。『アワ・フェイヴァリット・ショップ』もそのうち取り上げようかと思ったら、数年前にすでに記事を書いていたことにさっき気付きました。

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