[No.545]『ストレンジ・ブティック』/モノクローム・セット('80)

Strange Boutique/The Monochrome Set('80)
出会い損なったアルバムというものがある。このモノクローム・セットのファースト・アルバムはその最たるものだ。80年代、ニュー・ウェーヴ全盛期にXTCザ・キュアー、スクイーズなどと一緒に聴くべき音楽だったのだ。その時聞き逃した本作を今頃になって聴いているわけだが、どこから聴いてもニュー・ウェーヴである。ギター主体の歪んだポップ・サウンドに無国籍風味漂うアレンジと怪しげなヴォーカル。あの頃聴いていたら夢中になっていただろうな。

無論、モノクローム・セットを全く知らなかったわけではない。有名な編集盤『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』はとっくに聴いていた。したがっておよそのサウンド傾向は知っていたのだが、それで満足してしまいオリジナル・アルバムに手を伸ばさなかったのが失敗だった。あれはあれ、オリジナル盤はやはりオリジナル盤なのだ。特にこのデビュー作はアルバムとして実に興味深い。すでに彼らは完成されていたことが分かる。

インチキ臭さを意図的に打ち出したフレーズは異国情調を感じさせるものであるが、わざとチープさを演出しているようにも聞こえる。曲調も不自然な崩し方がなされていて、するりと手から抜け出していき、つかみ取ることができないようだ。ギター・ポップの範疇で語られることも多い彼らだが、聴き終わってすっきり爽やかというよりは、狐につままれたような印象が残る。

まだ整理されていないいかがわしさが満載の本作が今聴き返すともっとも興味深い。次作『ラヴ・ゾンビーズ』ですら、すでに洗練されたように思えるのだから、やっぱりファースト・アルバムなのだ。今更ニュー・ウェーヴなんて、と思いつつもつい聴き込んでしまっているあたり、三つ子の魂百までといったところか。


Strange Boutique
Water
2012-05-29
Monochrome Set

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