[No.513]『ライヴ!! アリス・クーパー・ショー』('77)

The Alice Cooper Show('77)
この間アリス・クーパーの70年代の作品がSHM-CD、紙ジャケで再発された。ミュージック・マガジンの特集記事を読んでいたら、このライヴ・アルバムのバックを務めているのが、何とあのルー・リード『ロックン・ロール・アニマル』バンドとほぼ同じメンバーと書いているではないか。ディック・ワグナースティーヴ・ハンターのツイン・リード・ギターが聴けるのか? 早速購入してみたところ、確かにギターが良く鳴っている。けれども『ロックン・ロール・アニマル』ほどの衝撃はない。この違いはどこにあるのだろうか。

ルー・リード・バンドをほぼ丸ごと雇ったのはプロデューサーのボブ・エズリンだ。『ロックン・ロール・アニマル』アリス・クーパーのソロもどちらもボブ・エズリン・プロデュース作である。その関係から同じバンドを使ったようだ。本作では、特に「エイティーン」でのツイン・リードが聴きものだ。二人のギタリストがそれぞれにソロを取ったり、オブリガードを入れたりしながら、曲の終わり近くでは壮絶なソロ合戦も展開する。アルバム2曲目にしてこのテンションの高さ。天晴れである。

しかし、どうしても『ロックン・ロール・アニマル』のレベルまでは達することができない。それは何故か。アリス・クーパーの場合はアルバムで出来上がっている楽曲をライヴでさらにパワー・アップさせている、というある意味ではライヴのあるべき姿を提示している。それに対して『ロックン・ロール・アニマル』の収録曲は1曲をのぞいてヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代のナンバーを取り上げている。つまり、オリジナル・アルバムでの演奏をライヴでやるのではなく、古い楽曲に全く新しいアレンジを施してライヴで演奏しているのだ。したがって、原曲とはまるで別物に生まれ変わったバンド・サウンドを楽しめるのだ。ディック・ワグナースティーヴ・ハンターのギター・プレイがより一層輝きを増して聴こえるのは、この点による。同時に、こんなアレンジではヴェルヴェット・アンダーグラウンドの良さが台無しだ、という批評があったのも事実だ。私ははっきり別物として、二人のギターを楽しんで聴いている。それでいいのだ。

『ロックン・ロール・アニマル』ではルー・リード以上にギターが目立っているとも言えるが、本作ではさすがはアリス・クーパー、そのヴォーカルの存在感たるや圧倒的である。その分ギターがややもの足りない部分もある。それが本作と『ロックン・ロール・アニマル』の違いでもある。題名どおり、これはあくまでも『アリス・クーパー・ショー』なのだ。

ライヴ!!アリス・クーパー・ショー(紙ジャケットSHM-CD&2011年リマスター)
ワーナーミュージック・ジャパン
2012-01-18
アリス・クーパー

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