[No.505]『エレメンツ~要素~』/YOSO('10)

Elements/YOSO('10)
先日の友人との新年会で教えられたアルバムの一枚がこのYOSOだ。YES+TOTOYOSO。バンド名だけで思わず腰砕けなのだが、これが正に名は体を表す。イエス的サウンドにTOTOのヴォーカルが乗っているわけだ。予想どおりに確かに軽い。しかし、これはこれで聴きやすく、なにより明るい。そう、イエスというバンドの肯定的側面の効力を最大限に発揮しているとでも言おうか。

イエスと言っても、トニー・ケイビリー・シャーウッドである。黄金期メンバーではない、ちょっと外れた立ち位置からイエスに関わってきたメンバーだ。勿論、トニー・ケイ『サード・アルバム』での貢献は大きいので、メイン・メンバーと言っても間違いではない。しかし、残念ながらリック・ウェイクマンと比較すると分が悪い。それはともかく、『ロンリー・ハート』辺りからのポップ化したイエスを基本にTOTOのヴォーカルによって適度にAOR的に展開するアルバムだ(そういえば『ロンリー・ハート』もキーボードはトニー・ケイだ)。

本作は2枚組になっていて、スタジオ盤+ライヴ盤という構成だ。イエス・ファンならば誰もが期待するのがライヴ盤で、YOSOの曲、TOTOの曲、イエスの曲が順番に出てくる。これは単純に楽しめばよい。TOTOは元々スタジオ・ミュージシャン上がりのテクニシャン揃いのバンドだったので、その意味でプログレとの接点はある。TOTOナンバーがメロディはともかくとして、演奏によってプログレ風になるのが興味深い。イエス・ナンバーでは、何と言っても「イエス・メドレー」と題された曲が面白い。「ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス」に始まり、「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」で終わる5曲のメドレーだ。ヴォーカル部分ではなく演奏のみの印象深い箇所をピックアップしてつないでいくのだが、つなぎ方が意外に適当な部分もあり荒い。それがまたこのバンドらしくていいのだ。

クリス・スクワイアだったか、リック・ウェイクマンだったか、或いは両者だったかもしれないが、イエス本体は将来的にはデューク・エリントン楽団のようにメンバーが替わっても同じ曲を演奏し続ける集団として活動していくだろう、とのことだった。意味は分かる。すでにそれに近いところもある。関わったメンバーの多さもかなりの数に上る。そんな中で、イエスの多大な恩恵にあずかったプロジェクトYOSOは、予想を裏切ることなくこの軽みを生かしていけばいいのだろう。

Elements ? エレメンツ~要素~
RUBICON MUSIC
2010-08-11
YOSO

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