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zoom RSS [No.435]『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』/アレサ・フランクリン('71)

<<   作成日時 : 2011/02/27 10:24   >>

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"Aretha Live At Fillmore West"/Aretha Franklin('71)。
何と言っても「エリナー・リグビー」の衝撃である。初めて聴いたときは曲名もよく確かめずに聴いていて、後から「エリナー・リグビー」だったのか、と驚いた思い出がある。もう一度聴き直してもどこが「エリナー・リグビー」なのかすぐには分からなかった。これをカヴァー・ヴァージョンと呼んでいいものか、疑問にすら感じた。メロディはほとんどその原型をとどめていない。'Aah Look At All The Lonely People'の印象的なコーラスすらここではアレサによって破壊され、まったくのR&Bスタイルで貫いている。曲のクレジットはレノン/マッカートニーになっているものの、正確には作詞マッカートニー、作曲フランクリンとでもするべきだろう。

そもそもなぜ「エリナー・リグビー」なのかもよく分からなかった。調べていくと何とシングル・カットまでされているではないか。さらにシングル曲のリストを見ているとやっとアレサの意図がつかめてきた。まず、ロック系のアーティストの作品を多く取り上げていること。ザ・バンド「ザ・ウェイト」ビートルズでは他に「レット・イット・ビー」も。エルトン・ジョン「ボーダー・ソング」サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」と、69年から71年にかけてのシングル曲は積極的にロック・ナンバーのカヴァー曲に挑戦している。次に、この時期のサウンドがどんどんゴスペルに向かっていること。アレサと女声コーラスの掛け合いでじわじわ盛り上げていくアレンジ、曲構成が多い。70年のシングル「スピリット・イン・ザ・ダーク」などゴスペル化の最たるもので、エンディングで一気にテンポアップして教会でのコール&レスポンスそのものになる。映画『ブルース・ブラザース』ジェイムス・ブラウンが牧師役を務めた「オールド・ランドマーク」のパターンである。この志向が72年のゴスペル・ライヴ・アルバムである『至上の愛〜チャーチ・コンサート』へとつながっていくようだがそちらは未聴である。

つまりロック界でのゴスペル的なナンバーを見つけてカヴァーした時期なのだ。「レット・イット・ビー」などもっとも分かりやすい例だが、「エリナー・リグビー」は歌詞の面を重視して選ばれたのだろう。教会で孤独な死を迎えるエリナー・リグビーと寂しい牧師が歌われている。

『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』では、「エリナー・リグビー」「明日に架ける橋」の他にスティーヴン・スティルスブレッドのナンバーも演奏されている。白人聴衆向けの選曲と言われていて、後者の2曲はゴスペルつながりが希薄で、前述のカヴァー曲と比べるとその分必然性に欠ける。とはいえ、ライヴそのものの充実振りが勝っている。どこを聴いても高揚感にあふれた名盤ライヴである。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
ソウル系の人たちは有名曲を絶対原形のままカバーしませんよね。アレサ、ザ・バンドのウエイトもものの見事にゴスペル調に変えてるし、共演しているレイ・チャールズやスティービー、E.W&Fとかもビートルズ・ナンバーでもディランでもお構いなし(笑)なまじっかそのままカバーしてもオリジナルの良さは超えられないんで、これはこれで有りじゃないかなと・・・。
ロック仙人TF
2011/02/27 22:02

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