[No.368]エロ・キディーズ/チープ・トリック('77)

'ELO Kiddies'/Cheap Trick('77)。
これまでも本ブログで何度か取り上げてきたチープ・トリックだが、普段よく聴く彼らのアルバムはライヴ作や近年のスタジオ・アルバムばかりだ。チープ・トリックの初期のオリジナル・アルバムをきちんと聴いたことがないなあ、と思っていた矢先、CDショップで「オリジナル・アルバム・クラシックス」というシリーズのチープ・トリック盤を発見し購入した。これは様々なアーティストのオリジナル・アルバム5枚をボックス化し廉価発売するもので、これまでに私はブーツィー・コリンズのボックスを購入している。とにかくオリジナル・アルバムがまとめて手に入るというのが利点だ。一方でライナー・ノーツやブックレットなどは一切なく、印刷の質が著しく低くサイズも一回り小さい紙ジャケットにCDがただ入っているだけというアートワーク上の問題点は大きい。しかしなにしろアルバム5枚を一度に集められるわけなので文句は言えまい。
こうしてチープ・トリックの1stから4thまでのスタジオ盤とトッド・ラングレンのプロデュースによる『ネクスト・ポジション・プリーズ』の5枚セットを手に入れたわけだが、まずファースト・アルバムを聴いてみた。1曲目が「エロ・キディーズ」だ。今まで武道館ライヴで何度も聴いていたはずなのに見逃していたことに気がついた。これはグラム・ロック特有のドッカドッカドッカドッカというドラム・パターンではないか。ゲイリー・グリッターが得意としたリズムでスレイドなど他のアーティストも使っていたものだ。2008年のアルバム『ザ・レイテスト』でも同じリズム・パターンを使ったスレイド「ホエン・ザ・ライツ・アー・アウト」をカヴァーしていたチープ・トリックだが、何のことはないデビュー・アルバムの1曲目からグラムだったのだ。
さて、この1曲目というのがポイントなのだが、実はアナログ盤時代にこのアルバムの表記はLPの片面が'Side A'でもう片面が'Side One'となっていた。つまりB面なしというわけだ。その心意気や良し。しかし、それによりどちらの面を先に聴くのかは誤解が生じたようだ。以前読んだ記事によると日本人が初めて接したチープ・トリックの曲は「ホット・ラヴ」だったという表現があった。つまり'Side A'の面を先に聴くという風に解釈していたわけだ。確かにジャケット裏面の曲目表記は左側に'Side A' がありそちらから聴くのが正しいように見える。しかし、現在のCDでは'Side One'に当たる面の曲が先に来ている。本来は'Side One'面から聴くべきだったようだ。「レコード・コレクターズ2008年5月号」チープ・トリック特集号の記事には、「当初CD再発にした際にレコード会社はB①~⑤から始まる曲順にしてしまった」とある。つまりCD化された際にも'Side A'を先にするまちがいが起こり、'Side A'から聴くという順番が一般的になったようだ。しかし現行CDでは'Side One'の曲が先に来ており、そうなるとチープ・トリックのデビュー・アルバム最初の曲は「エロ・キディーズ」ということになるのだ。
ちなみに曲名の「エロ」は'Hello' の'H'をとったもので、イギリスでは'H'を発音しないところから来ているらしい。このデビュー以来一貫したブリティッシュ・ロックへの傾倒が他のアメリカ・バンドとの差異となってチープ・トリックの個性がこの後花開くわけだ。

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