[No.354]ソーン・オブ・クラウン/エコー&ザ・バニーメン('84)

'Thorn of Crowns'/Echo & The Bunnymen('84)。
エコー&ザ・バニーメンが4枚目のアルバム『オーシャン・レイン』の中で、唯一それ以前のサウンドを踏襲したナンバーとして収録されていたのが「ソーン・オブ・クラウン」だった。ストリングスの導入でより優美なサウンドを指向した新機軸を打ち出したアルバムだったが、この曲だけは従来の路線を保ちながらこのバンドらしい緊張感を失わないように健闘していたナンバーだった。それでいて’キュ、キュ、キュ、キューリ キャ、キャ、キャ、キャベツ カ、カ、カ、カリフラワー’というユーモラスな歌詞にも注目の1曲だ。スタジオ盤よりもスピード感を増して、より張りつめたテンションで駆け抜けるライヴ・ヴァージョンがいい。来日公演時のライヴ録音が当時FMで放送され、その時エア・チェックしたカセット・テープの音源は私の宝の一つである。
さて、エコー&ザ・バニーメンは再結成後何枚かのアルバムを発表しているようだが、私は聴く気になれない。2008年に出たバウハウスの再結成アルバムは聴いたし、バズコックスの再結成後の活動もフォローしている。 パンク、ニュー・ウェ-ヴ期にデビューして一度解散した後に再結成しているのはどのバンドも共通している。しかし、エコー&ザ・バニーメンだけは解散前にバンドとして致命的な失敗を犯しているのだ。それは、解散前に明らかにレベルの下がる作品を発表していることだ。4枚目の『オーシャン・レイン』はまだ土俵際でぎりぎり踏みとどまったが、続くシングル曲の「ダンシング・ホーセズ」と5枚目のアルバムは、それまでの彼らの実績を知るものを失望させる出来だった。おまけにイアン・マッカロクの脱退とソロ作の発表、残ったメンバーのバンド名を引き継いだアルバムのリリースがさらに傷を深めた。つまりバンドとして一度駄目になった後に解散、再結成をしているところが問題なのだ。
バウハウスバズコックスも解散前に発表したアルバムに駄作はない。バンドのヴォルテージを保ったまま解散を余儀なくされたのだから、再結成にも期待を持つことができたし、実際にその期待を裏切らない作品を発表している。この点においてエコー&ザ・バニーメンは一段落ちるため、私は彼らの再結成後の動きに興味が持てないのだ。同様の印象を持っているバンドとしてギャング・オブ・フォーが挙げられる。彼らもまた従来の緊張感や鋭さをなくした作品を出してからの解散、再結成組だ。
オリジナルのエコー&ザ・バニーメンはその活動後期にダンス・ミュージック的なアプローチに向かい見事に失敗している。同様のアプローチで成功しその後ビッグになっていくザ・キュアーとは対照的である。ロバート・スミスほど芸達者でないイアン・マッカロクにはポップ路線は合ってなかったのだろう。やろうとしていることは割と近かったように思うのだが、それをやるにはロバート・スミスくらいの下世話さが必要だったのだ。あるいはU2ボノくらいの面の皮の厚さが。
この時期の曲を聴いていると、彼らの高いテンションのサウンドを支えていたのが、ドラマーのピート・ディ・フレイタスの工夫を凝らした演奏だったことが逆に分かってくる。ダンス指向の単調なリズムでは彼らの良さが発揮されない。それ以前のピートの決して単純なエイト・ビートを刻まない小技を駆使したドラミングが、どれだけ彼らの演奏を研ぎ澄まさせていたのかを思い知らされる。
そのピート亡き今、やはり彼らの再結成には興味が持てないでいる。

オーシャン・レイン
ワーナーミュージック・ジャパン
2007-05-23
エコー&ザ・バニーメン

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