[No.306]Mary Had A Little Lamb/Stevie Ray Vaughan

「メアリー・ハッド・ア・リトル・ラム」/スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル('86)。
85年の唯一の来日公演時にFMで放送されたライヴをエアチェックしてよく聴いていた。今でもどこかにそのカセットテープがあるはずだが、先日『ライヴ・アライヴ』のCDを手に入れたので久しぶりにスティーヴィー・レイ・ヴォーンを聴いている。
MTVに象徴されるヴィジュアル主体の大量消費型ポップ・ロックが中心の80年代ポピュラー界において、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルは明らかに異質な存在だった。80年代にブルースを救ったとも言われた彼らが重要視されるのは、そのセールス面においてだ。あの時代にブルース・ロックのアルバムが売れたということに大きな価値があった。どう聴いても耳に心地よいサウンドなどではなく、ひたすら無骨に力任せにブルースを演奏する。そんな姿勢を評価する聴衆のニーズがあった。80年代型ポップの中にあって、彼らのサウンドは時代へのアンチテーゼとして求められたのだろう。いつの時代にも主流が一定方向に偏ると、その揺り戻しが起こる。人工的縦ノリサウンドに対する人力的横ノリサウンドといったところか。
ただし、当時私はそれほど積極的に彼らのアルバムを聴いていたわけではなかった。理由は、いかにも昔風なロック・ミュージシャンの生き様のような彼の人生にあった。今にして思えば、それは単なる偏見以外の何物でもないのだが。長い下積みを経てメジャー・デビュー後、突然のブレイク。レコーディングとツアーの連続の疲労からアルコールとコカインに溺れる。ツアー中に倒れたことをきっかけにリハビリに向かう。復帰後にアルバム『イン・ステップ』を発表、ヴォーン・ブラザーズとしての活動など順調な回復と思われた矢先にヘリコプター事故で他界。正に昔ながらのロック・ミュージシャン人生そのまんまというところ。
それはさておき、あらためて聴き返して思うのは、そのパワフルなプレイぶり。正に「テキサス・ハリケーン」。胸のすくような豪快さだ。スローなブルース・ナンバーでのソロは勿論だが、アップテンポの特にファンキーな曲でのカッティングとちょっとしたフレーズを交互に繰り出すプレイの切れ味の良さは格別だ。つっこみとボケを一人でこなす早口漫才のような小気味よさ。こうした演奏ぶりは日本で言えばチャーを連想させる。テンガロン・ハットをかぶっているのも一緒だし。
「メアリー・ハッド・ア・リトル・ラム」バディ・ガイのカヴァーだが、そんなスティーヴィー・レイ・ヴォーンの見事なプレイが堪能できる一曲だ。イントロのカッティングとミニ・フレーズの組み合わせ、間奏とエンディングの素早いカッティングの冴えが抜群な
一曲だ。

ライヴ・アライヴ
エピックレコードジャパン
1997-01-22
スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル

ユーザレビュー:
在命中、唯一のライヴ ...
調子悪いSRV自身が ...
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