[No.303]Drowning Witch/Frank Zappa('82)

久しぶりにザッパのCDを買った。 『たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船』。いかにも英語を翻訳したと言わんばかりの直訳風日本盤の題名だ。日本語なのに翻訳調の言い回しというのは昔からあるだろうが、やはり私などの世代は村上春樹が意図的にそうした書き方で小説を書いたことで意識するようになったものだ。
回顧モードに入ったところで、ザッパのアルバムを何枚集めてきたのか試しに数えてみたら、どうやら今回で30枚目のようだ。一般的には30枚もアルバムを持っていたらそのアーティストの相当のファンか、コンプリート・コレクションに近いところだろう。しかし何とザッパの場合はこれでまだ半分くらいなのだ。約60種類ほどのアルバムを発表しているというのも凄いが、その内容が非常に多岐にわたっていて本当に同じアーティストのアルバムなのかと疑いたくなるほどだ。ロック界はハード・ロックやプログレ、パンクなど様々な細分化されたジャンルでカテゴライズされているが、ザッパの作品はフランク・ザッパというジャンルであるとしか言いようがない。
そんなザッパ・アルバムの中では歌ものが主の比較的聞きやすい部類に入るのが『たどり着くのが遅すぎて溺れる魔女を救えなかった船』だ。彼の娘であるムーン・ザッパのヴォーカル入りで話題となった「ヴァリー・ガール」を含む6曲入りアルバム。アナログB面1曲目にあたる「溺れる魔女」は長いインスト・パートを含んだ12分03秒の楽曲だ。聞き物は前半の怪しげなヴォーカルとバックの激しく展開する演奏ぶり。いつもながら凄い。3分過ぎからのギター・ソロはこちらも毎度お馴染みだが、何と言っても音色がたまらない。どこで読んだか残念ながら思い出せないが、ザッパのギターは必要のない音域はすっぱりとカットするようエフェクト処理を施しているそうだ。それがあの独特の無駄を全て取り去ったかのようなきりっとした音色を生み出しているらしい。さらに不思議なステレオ感が音の美しさを倍増させている。
今回はギタリストとしてのザッパを堪能した。幾らでも切り口のあるミュージシャンなので様々な視点からアルバムを楽しむことができる。唯一無比のロック・ミュージシャン、フランク・ザッパ。いつの日かその全アルバムをコレクションする時が来るのだろうか。今やっとザッパ・マウンテンの中腹にさしかかったところ。山頂までの道のりは険しく遠い。しかし楽しい旅だ。

Ship Arriving Too Late to Save a Drowning Witch
Vido Arts
1995-05-02
Frank Zappa

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FZだから、作れる音 ...
22年間聴き続けても ...
アナログ当時「フラン ...
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