[No.275]戦国自衛隊のテーマ/甲斐よしひろ('08)

映画「戦国自衛隊」はタイムスリップとか、戦国武将とのかけひきとか、男だけの集団劇とか、運命と戦う男の生き様とか、昭和50年代の男の子を夢中にさせる要素がてんこ盛りだった。その主題歌も当時ヒットしていたのではないだろうか。たぶんラジオのエアチェックでカセットテープに録音して聴いていたと思う。
去年、甲斐よしひろ がカヴァー・アルバム「10ストーリーズ2」でこの曲を取り上げたのは、映画がリメイクされたことと関係あるのかも知れないが、詳しく調べていないので分からない。いずれにしろ、実に久しぶりにこの曲を聴いた。甲斐よしひろヴァージョンは原曲の雰囲気を壊すことなく、昔この曲をよく聴いた私のような者が「ああ、これこれ」と納得するような出来映えだった。
そう言えば去年、旅行でホテルに泊まった時にたまたまオリジナルの「戦国自衛隊」がテレビ放映されていて、一杯飲りながら思わず観てしまったことがあった。千葉真一がだんだんおかしくなっていく終盤から観たので、自衛隊の兵器を使う戦闘シーンもなくあまり楽しくはなかったが、まあなんて懐かしいという印象だった。
さて、甲斐よしひろ だが、彼は甲斐バンド時代にすでに「翼あるもの」というカヴァー・アルバムを発表している。かまやつひろし憂歌団、GSの曲などなかなかの選曲で、これで初めて知った曲も結構ある。2003年になって突然「翼あるもの2」がリリースされたが、これもまた名曲ぞろいでさすが甲斐よしひろ と思わせたものだったが、その後2007年、2008年と「10ストーリーズ」シリーズが続いた。こちらは比較的最近の曲を中心に選曲されている。
このように甲斐よしひろ と歌謡、あるいは歌謡曲は密接な関係を保ってきている。こうしたカヴァーにとどまらず、甲斐バンド時代には年間にもの凄い数のライヴをこなすロック・バンドでありながら歌謡の香りのする楽曲を書いていた彼である。さらに洋楽を巧みに自らの楽曲に取り込むことでも知られている。例えば甲斐バンド時代の「氷のくちびる」のサビのメロディはイーグルス「ホテル・カリフォルニア」のエンディング部分のギター・ソロのフレーズと同じメロディだとか、ソロで発表したシングル曲(タイトルを忘れた)はスティーヴ・ミラー・バンド「セレナーデ」という曲とコード進行およびギターのカッティングがほとんど同じだとか。このようなあからさまな取り入れ方こそ歌謡の精神だと私は思っている。それは優れた作品に対する敬意の表れと解釈するべきなのだ。
そうした側面を持っているが故に、甲斐よしひろ及び甲斐バンドについては昔から今までずっと気になる存在だったのだ。そしてこれからも。

TEN STORIES 2
NIPPON CROWN CO,.LTD.(CR)(M)
2008-02-20
甲斐よしひろ

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