Anchorage/Michelle Shocked('88)

このアルバムが出た頃は、よくラジオを聴き、気に入った曲があれば積極的に新人アーティストのレコードを買っていたものだった。ミッシェル・ショクトもそんなミュージシャンの一人だ。
まず、アルバム1曲目の 'When I Glow Up' が格好よかった。女性アーティストとしては珍しくアコースティック・ブルースを基調とした曲作りと、シンプルな演奏、そして低音で歌うミッシェル・ショクトのクールなヴォーカル・スタイルに惹かれてアルバムを購入した記憶がある。NHK-FMのサウンド・ストリートで紹介されたと思う。渋谷陽一だったかピーター・バラカンだったか、定かではないが。当時はラジオが新しい音楽に出会う手段だった。今では新人アーティストに目を向けることもなくなってしまったが。
この曲はアルバムからのシングル曲だったのでオンエアもされたのだが、当時から歌詞の内容が気になっていた。古い友人に数年ぶりに手紙を書いたところ、なんとアラスカのアンカレッジから返事がきたというもので、その後は友人からの手紙にはこう書かれていた、と歌われていく。
そこでは、結婚した友人は夫の仕事の関係で引っ越したこと、学校に通う男の子と生まれて8ヶ月の女の子がいること、結婚前は友達同士ロック・バンド(?)をやっていたらしきことなどが明らかになっていく。
友人は「今や私は主婦なのよ」と自嘲気味に言い、「最後に会ったのは私の結婚式で、あなたはラヴ・ソングを歌ってくれたわね、でもどんな曲だか思い出せないの」と手紙に書いている。
手紙の最後は(旦那の)リロイが言う、という繰り返しで「リロイが写真を送ってくれと」「リロイがやあ、どうもと」「リロイがロックし続けろと」言っているというフレーズで終わる。
年を取るほどにこの歌詞はじわじわと沁みてくる。手紙を受け取ったミッシェル・ショクトはニュー・ヨークにいて、ミュージシャンとしてデビューしたところというのが、現実なのだが、きっと個人的な体験をもとに書かれた歌詞なのではないか。 「ロックし続けろ」という言葉は自分自身への激励の言葉ともとれる。
以前は結婚した友人が昔を懐かしんでいるというイメージの曲と思っていたが、デビューしたばかりのミッシェル・ショクトが成功するかどうかは全く分からないのだから、そうした不安感も今回聞き直してみて感じるようになってきた。そんなことは一切歌詞には出てこないのだが。
いずれにせよ、聴くたびにいろいろなことを考えさせられる歌だ。ところで今回気づいたのだが、結婚式の時の歌を思い出せない、と歌ったあとに間奏に入るのだが、そのコード進行が歌の部分とちょっと変わるので、きっとその進行の曲が結婚式の歌だったんだろう。
ミッシェル・ショクトがその後どうしているか全く知らなかったのだが、どうやら現在も元気に活動中のようでほっとした。それはそれでリロイの気分だ。ロックし続けていたのだな。
Short Sharp Shocked
Short Sharp Shocked
Mercury
1990-10-25
Michelle Shocked

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



Short Sharp Shocked

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック