[No.510]『ちゃんとやれ! えんけん!』/遠藤賢司('12)
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作成日時 : 2012/01/29 16:17
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自らを叱りつけるタイトルの新譜が遠藤賢司から届いた。こんなタイトルを付けられるミュージシャンは遠藤賢司をおいて他にはいるまい。今回の聴き物の一つは、バンドスタイルのハードなサウンドが続く冒頭からの5曲だ。これまでオリジナル・アルバムでハードな曲がこれだけ続いたことはないと記憶する。それだけ激しいサウンドに思いが向いているということか。
エンケンバンド、前園兄弟、エンケン&アイラブユーなど曲によってバックのメンバーは替わるが、いずれもガリガリのサウンドに心が躍る。中でも山本恭司のギターには驚かされた。あのBOWWOWの山本恭司である。「夢よ叫べ-2012-」はバンドスタイルではないが、エンケンの生ギター弾き語りの間奏で目の覚めるようなエレキギターソロを聴かせてくれる。
タイトル通りに気合いの入ったアルバムではあるが、注文を付けるとしたらユーモアの不足か。『にゃあ!』辺りから顕著となってきた怒りソングは、確かにおっしゃる通りなのだがストレートすぎる物言いは聴いていて重たい。以前はユーモアを交えつつ的確に怒りを表明していた歌詞が聴かれたものだが、近年はそのゆとりさえなくなったかのようなやや生き急ぎ気味の歌が多くなってきた。タイトルソングにせよ、「為に、音よ言葉よ俺の心に突き刺され」にせよ、言っていることはもっともなのだが一さじのユーモアを加えてほしいところだ。そんな中、最もユーモアのセンスを感じたのが、1曲目「エンケンがやってくる!」のインストナンバーだったというのが皮肉だ。1分9秒の中に聴いたようなフレーズがちょこちょこ出てくるところ、それでいて非常に格好いい力のわいてくるような1曲に仕上がっている。こんなタイプの曲に言葉のユーモアを乗せてくれたら言うことなしなのだが。
今年65才になるという遠藤賢司。彼に「ちゃんとやれ! えんけん!」と歌われたら、誰だってちゃんとやらなきゃ、と襟を正してしまうだろう。「俺もちゃんとやるよ、エンケン」、と心の中で叫ぶのが正しい本作の聴き方だ。
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